“他力宗”の読み方と例文
読み方割合
たりきしゅう100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
想えば民衆のために温かい福音を語るあの他力宗たりきしゅう易行道いぎょうどうは、かえって知識ある者には難解の道であった。だが道が難いのではなく、彼らの知識がそれを難くするのである。
工芸の道 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
ここに至って他力宗たりきしゅうになってしまって、ただもう世界に力とするものは蝙蝠傘こうもり一本、その蝙蝠傘こうもりのこっちは自分が握っているが、むこうは真の親切者が握っているのだか狐狸こりが握っているのだか
観画談 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
一つの立場をも許さぬ境地を禅とこそ呼ぶのである。かの他力宗たりきしゅうというも、自己の一切の立場を放棄する意味ではないであろうか。吾が立場を越えて仏の立場に帰るいいではないか。
工芸の道 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)