仍且やはり)” の例文
風呂敷に包んだ玉菜一個を、お定は大事相に胸に抱いて、仍且やはり郷里くにの事を思ひながら主家に歸つた。勝手口から入ると、奧樣が見えぬ。
天鵞絨 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
仍且やはり氣に懸ツてならぬ。そして惱む。幾ら美術家でも、女の心まで裸體にして見る權能けんのうがないから爲方が無い。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
風呂敷に包んだ玉菜一個ひとつを、お定は大事相に胸に抱いて、仍且やはり郷里くにの事を思ひながら主家に帰つた。勝手口から入ると、奥様が見えぬ。
天鵞絨 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)