「マ、そ、その、人斬庖丁ひときりぼうちょうという物騒ぶっそうなものを納めなされ。そして、そして、何なりと、ゆっくり話をうけたまわろうではござらぬか」
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
かりにも武士の魂とも云う大切の物、手前達は何か武士が腰にたいして居る物は人斬庖丁ひときりぼうちょうなどゝ悪口あっこうをいうのは手前の様な者だろうが、人を無暗むやみに斬る刀でないわ
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「すると、むこうも危えし、こっちもあぶねえから、そこで、逃げるように……フウム、ところで、先様さきさまアいつも人斬庖丁ひときりぼうちょうを離したこたあねえのだから、いつも逃げ——」
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)