乳臭にゅうしゅう)” の例文
十六歳かで大宣伝の波に乗って現われた歌手であったが、少し乳臭にゅうしゅうで日本人の我々にはつまらなかった。これも廃盤組の一人。
つとに、この若殿の英才はみとめているが、何といっても、まだ十八の世子せいし、部屋住みの青年である。ふたりの漢学者の眼には、乳臭にゅうしゅうの人としか見えなかった。
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ソコで私は今度中津にかえっても宗太郎をば乳臭にゅうしゅうの小児と思い、相替らずそうさん/\で待遇して居た処が、何ぞはからん、この宗さんが胸に一物、恐ろしい事をたくらんで居て
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
乳臭にゅうしゅうのきみの補佐と聞けば、主眼は政治的な意味にあることはあらためて訊くまでもない。細川和氏は、そのてん、高氏が深い意中のものを託すに足る思慮のある人柄だった。
私本太平記:08 新田帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
蘭丸は、まだ乳臭にゅうしゅうの小姓だったが、新参は下に見るふうが一般にあるので
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)