“乗降”の読み方と例文
旧字:乘降
読み方割合
のりおり100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その時、先刻から車掌台の横手につかまって、車の動揺にふらふらと身を任せながら、客の乗降のりおりの邪魔となってる洋服の男が、彼の眼に止った。
電車停留場 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
けれども乗降のりおりの一混雑が済んで、思う人が出て来ないと、また心に二三分の余裕よゆうができるので、それを利用しようと待ち構えるほどの執着はなかったにせよ
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
乗降のりおりが大分混合こみあっている。其処を出ると足柄か天城か、真白に雪の輝いた連山が眺められた。車窓近くの百姓家の段々畑の畔に梅が白々と咲いて居る。今年初めて見る梅である。
みなかみ紀行 (新字新仮名) / 若山牧水(著)