之助ゆきすけ)” の例文
数寄屋すきやで朝茶を一ぷく。久しく別れていた父子が水入らずの朝飯と見せて、勝入と嫡子の之助ゆきすけは、密談に他念なかった。
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、兄弟おもいの之助ゆきすけは、ことし十五になる幼い末弟のすがたが見えないので、だれにともなく、こう口走った。
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と迷いもいよいよ深刻になるところへ、はからずも、実にはからずも——長島へ質人として行っていた長子の紀伊守之助ゆきすけが、突然、帰されて来たのであった。
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)