丑三うしみ)” の例文
やがて、一時、二時、むかしのことばでいえば、丑三うしみどきです。もう電車の音も聞こえません。自動車の地ひびきもまれになりました。
少年探偵団 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
其の夜丑三うしみつの頃に、道臣は京子の枕元で看病をしながら、ツイうと/\と居眠りをしてゐたが、蚊帳越しにさつと吹き込む夜露を含んだ冷たい風に顏を撫でられ、驚いて眼を覺ますと
天満宮 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
それは毎夜更けて丑三うしみつごろになると、ボストンの市街の暗い空に、ほの白いこわげな姿をして、奇妙なものが無数に飛び回り、うようよと動き、日中でも雨のじめつくうっとうしい日などは
迷信と宗教 (新字新仮名) / 井上円了(著)