不二屋ふじや)” の例文
お絹は列び茶屋の不二屋ふじやを目指しているらしく、軒提灯の涼しい灯のあいだを横切って通った。まだ宵ながらそこらには男や女の笑い声がきこえて、麦湯むぎゆの匂いが香ばしかった。
両国の秋 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)