“下愚(かぐ)” の例文
上智と下愚(かぐ)は移り難いと言った時、孔子は子路のことを考えに入れていなかった。欠点だらけではあっても、子路を下愚とは孔子も考えない。
弟子 (新字新仮名) / 中島敦(著)
「刑事は刑事だ。探偵は探偵だ。せんだってはせんだってで今日は今日だ。自説が変らないのは発達しない証拠だ。下愚(かぐ)は移らずと云うのは君の事だ。……」
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
しかれども世運(せいうん)ようやく下(くだ)るに及(およん)で人事日に繁(しげ)く、天然の教いまだもって邪を正(ただ)すに足らず。これをもって名教を布(し)き施(ほどこ)せり。しかしてまた、いまだ下愚(かぐ)を移すに足らず。
教門論疑問 (新字新仮名) / 柏原孝章(著)