七顛八倒しちてんはっとう)” の例文
病人は七顛八倒しちてんはっとうして悲鳴を上げるのが、娘が来て背中へぴったりと胸をあてて肩を押えていると、我慢がまんが出来るといったようなわけであったそうな。
高野聖 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
熱いつゆ下腹したばらへ、たらたらとみたところから、一睡ひとねむりして目が覚めると、きやきや痛み出して、やがて吐くやら、くだすやら、尾籠びろうなお話だが七顛八倒しちてんはっとうよくも生きていられた事と、今でも思うです。
薬草取 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)