お婆さんが絵になり、その絵が絵を描いているのであります。描く主と、描かれるひんとは別のものではありません。「念々の称名は念仏が念仏を申すなり」と一遍上人いっぺんしょうにんはいわれました。
益子の絵土瓶 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
教義となると、空也念仏くうやねんぶつの脈をひき、法然ほうねん門下の浄土宗の流れもじえ、一遍上人いっぺんしょうにんの発想をもととして、なかなかむずかしそうであるが、法友同士の約束は、かんたんでまた、しごく自由であった。
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「されば。一遍上人いっぺんしょうにんの起した藤沢道場とはここの由でございます」
私本太平記:08 新田帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)