一節ひとくさり)” の例文
「何の風情ふぜいもござらぬの。老人がおさかな申そうかの」三太夫はやさしく微笑して、「唐歌からうた一節ひとくさり吟ずるとしよう。そなたに対するはなむけじゃ」
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
恋しい範之丞の屋敷の前で、いつものように一節ひとくさり弾き、それをせめてものなぐさみとして、しおしおと歩いて行くのであった。
血煙天明陣 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)