一歩金いちぶきん)” の例文
家に一銭でも大事の日なのに、手箱の底をいて一歩金いちぶきん二つ三つ、小粒銀三十ばかり財布に入れて懐中にねじ込み
新釈諸国噺 (新字新仮名) / 太宰治(著)
挨拶もそこそこに草履ぞうりをつっかけて門口に出て、それから小声でささやき合い、三人の所持の金子きんす全部、一歩金いちぶきん三十八、こまがね七十目ばかり取り集め、門口に捨てられてある小皿こざらの上に積みかさね
新釈諸国噺 (新字新仮名) / 太宰治(著)