一向宗いっこうしゅう)” の例文
長崎上筑後町かみちくごまち一向宗いっこうしゅうの寺に、勧善寺と云うのがある。そこへ二十歳前後の若い僧が来て、棒を指南していると云うのである。一行は又長崎行の舟に乗った。
護持院原の敵討 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
何か力んで、落首に同感をあらわしながら、庶民をきつけている者があれば、それはきまって、三好党臭い牢人者ろうにんものか、さもなければ、一向宗いっこうしゅうの法師だった。
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
初め一向宗いっこうしゅうの者共は、自分たちの生存をおびやかされたゝめに奮起したので、元来は受け身の立ち場であったが、戦をしてみると思いの外弱い敵なので、だん/\図に乗って来たのであった。