一半いっぱん)” の例文
いきどころをもたないり災者の一半いっぱんは、そのときも、まだ、救護局が建設した、日比谷、上野、その他のバラックの中に住んでいました。
大震火災記 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
しかし頼政から見ると彼をそこまで有頂天にさせたのも、一半いっぱんの罪は、非難する世間にあると考えられるのであった。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
僕はあらゆる醜悪なものを見せつけられた。その堪え難い苦痛が三年も続いた。僕が家庭を離れたく思った一半いっぱんの理由は、実はこれなのだ。僕は女というものの汚さを見尽みつくした。
孤島の鬼 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
その罪の一半いっぱんは私のとくの足らないためだと私は思います、私も深く反省しましょう、諸君もより以上に注意してください、悪い親を持った一少年を学校が見捨てたら、もうそれっきりですからなあ
ああ玉杯に花うけて (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
こう思うとせっかくの復讐心ふくしゅうしん一半いっぱんはくじかれてしまった。
ああ玉杯に花うけて (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)