“ヴヱール”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
被衣50.0%
面紗50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そこに——敷物の上に——私の臆説が明らかにうそだと分る物が見えたのです——上から下迄眞二つに裂けた被衣ヴヱールが!
「若し何か惡意のあるものが、昨夜あなたの傍に來たとしても、きずつけられたのはあの被衣ヴヱールだけだつたのだ。あゝ、どんなことが起つたかも知れないと思ふと!」
彼女は正に被衣ヴヱール(結局、あの飾り氣のない四角な絹布)をブロオチで私の髮に留めようとしてゐるところだつた。私は彼女の手の下から出來るだけ早く駈け出した。
肉づきのいゝ、しかし輪廓のすつきりした姿だ。そしてカルロを撫でゝから頭を上げて、長い面紗ヴヱールを後へ刎ねのけたとき、彼の眼の前には、非の打ち處のない美しい顏が、花のやうにパツと開いた。