“パセティック”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
悲愴66.7%
ものの哀れ33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
悲愴パセティックな震動が彼の心に伝わった。意味の分らないヴェールがふわりと下りて来て、その中に自分というものが朧ろ朧ろになってゆくような気がした。
恩人 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
その境遇のうちに、最後の天才のほのおは、六度目のシンフォニー「悲愴パセティック」として燃え上ったのである。この作には一八九三年八月三十一日と日付が書かれている。
楽聖物語 (新字新仮名) / 野村胡堂野村あらえびす(著)
なお有名なソナタの一つ一つについてすぐれたレコードを挙げていくと、「悲愴パセティックソナタ作品一三」にはポリドールのケンプの情熱は挙げられて良い(六五〇二四)。
楽聖物語 (新字新仮名) / 野村胡堂野村あらえびす(著)
悲愴パセティックシンフォニー」がモスコーで演奏された日チャイコフスキーの不慮の死は伝えられた。一部に自殺説もあったが実際には生水なまみずを飲んでコレラにかかったためであった。
楽聖物語 (新字新仮名) / 野村胡堂野村あらえびす(著)
いつか再び同じ日のまわってくることを固く信じてその望みにのみ生きている——といったものの哀れパセティックなこころは、ハルビンとハルビンらしいすべての姿に胸を打って感じられる。
踊る地平線:01 踊る地平線 (新字新仮名) / 谷譲次(著)