悲愴パセティック)” の例文
悲愴パセティックな震動が彼の心に伝わった。意味の分らないヴェールがふわりと下りて来て、その中に自分というものが朧ろ朧ろになってゆくような気がした。
恩人 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
その境遇のうちに、最後の天才のほのおは、六度目のシンフォニー「悲愴パセティック」として燃え上ったのである。この作には一八九三年八月三十一日と日付が書かれている。
楽聖物語 (新字新仮名) / 野村胡堂野村あらえびす(著)
なお有名なソナタの一つ一つについてすぐれたレコードを挙げていくと、「悲愴パセティックソナタ作品一三」にはポリドールのケンプの情熱は挙げられて良い(六五〇二四)。
楽聖物語 (新字新仮名) / 野村胡堂野村あらえびす(著)
悲愴パセティックシンフォニー」がモスコーで演奏された日チャイコフスキーの不慮の死は伝えられた。一部に自殺説もあったが実際には生水なまみずを飲んでコレラにかかったためであった。
楽聖物語 (新字新仮名) / 野村胡堂野村あらえびす(著)