“シレネ”の漢字の書き方と例文
語句割合
人魚100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
カフェー人魚シレネドアを押して、寒い風と一緒に飛込んで来たのは、関東新報記者の早坂勇——綽名あだなを足の勇——という、筆より足の達者な男でした。
女記者の役割 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
隣の洋品店の飾窓ショーウィンドーの前へ立ち止ると、ついて来て同じ灯の中へ顔を出したのは、ツイ今しがたまでカフェー人魚シレネの隅っこに、一人で洋酒をめて居た、勤人風の男でした。
女記者の役割 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
一足先に、カフェー人魚シレネを出た千種十次郎は、闇の中からう呼び止られました。
女記者の役割 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
歌も踊も、曾て見慣れたものでは無く、全く此世のものとも覺えず、言葉の無い大合唱は、船をくつがへし舟人を殺すといふ傳説の人魚シレネの歌を聽くやうな、得も言はれぬ妖しさと美しさです。