“キヰ”のいろいろな漢字の書き方と例文
ひらがな:きゐ
語句割合
来居50.0%
来棲50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「百済野のはぎが古枝に、春待つと、来居キヰし鶯、鳴きにけむかも」の歌は、純な拍子で統一してゐる様だ。
併し「来居キヰし鶯」の経験ではなくて、空想である事が、内容の側から不純な気分を醸し出してゐる。
百済野の萩が古枝フルエに、春待つと 来居キヰし鶯、鳴きにけむかも(万葉巻八)
けれども来棲キヰしと言ふのは、全くの空想である。優美の為に立てた趣向である。冬の中、百済野で鶯を見て知つて居たのではない。棲むだらうと思はれる鶯なのである。
叙景詩の発生 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
百済野クダラヌハギ旧枝フルエに、春待つと来棲キヰし鶯、啼きにけむかも(万葉巻八)
叙景詩の発生 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)