“やつはん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
八刻半40.0%
丑刻半30.0%
未刻半20.0%
亥刻半10.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
八刻半やつはんの陽ざしは、やっと西へまわりかけて鋭い。青葉の照り返しで、畳が青い。調度も青い。忠相の顔も青い。微風が渡る。青い影が、畳にも、調度にも、忠相の顔にも揺らぐ。
巷説享保図絵 (新字新仮名) / 林不忘(著)
夜中過ぎ——丑刻半やつはん(三時)少し前かな。宵に氣分が惡いと言つて騷いだ娘のことが氣になるから、部屋を覗いて見ると、床が空つぽで本人は居ない。
すぐ支度に取掛つて、三人連れの無駄話に興じ乍ら、巣鴨の屋敷に着いたのは、彼れこれ未刻半やつはん刻。
植木にもき、茶にも飽き、煙草にも飽き、そのくせ女房のお靜が話しかけても、あまり返事もせずに、夜になるのを待つたのです。やがて亥刻半やつはん(十一時)といふ頃、平次はやうやく活氣づきました。
銭形平次捕物控:311 鬼女 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)