“みつうん”の漢字の書き方と例文
語句割合
密雲100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その春、私が連れて行かれたその狂院きょういんに咲き満ちてた桜の花のおびただしさ、海か密雲みつうんに対するように始め私は茫漠ぼうばくとして美感にうたれて居るだけでした。
病房にたわむ花 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
翌朝の新聞紙に『大演習の犠牲。青軍の戦闘機二機、空中衝突して太平洋上に墜つ。乗組の竹花、熊内両中尉の死体も機影きえいも共に発見せられず。原因は密雲みつうんのためか……』
恐しき通夜 (新字新仮名) / 海野十三(著)
星の光が海底の真珠のように三つ四つ二つきらめいていたので、やれ安心と思う間もなく密雲みつうん忽ち天を閉じて、幽霊のような白い霧が時々すうと小屋の中まで這入って来る。
奥秩父の山旅日記 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)