“へいきち”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
平吉80.0%
丙吉20.0%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
こう、小北と姓を言うと、学生で、故郷の旧友のようであるが、そうでない。これは平吉へいきち……へいさんと言うが早解はやわかり。織次の亡き親父と同じ夥間なかまの職人である。
国貞えがく (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
不肖ぢやございますが、この近江屋あふみや平吉へいきちも、小間物屋こそ致して居りますが、読本よみほんにかけちや一かどつうのつもりでございます。その手前でさへ、先生の八犬伝には、何ともの打ちやうがございません。いや全く恐れ入りました。
戯作三昧 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
こゝにをくふ平吉へいきち博奕仲間ぶちなかまたのんで、あはせ綿入わたいれ一枚いちまいづゝ、おびへて質入しちいれにして、小助こすけにぎつた金子かねが……一歩いちぶとしてある。
一席話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ガラガラ、ガラガラとウィンチ(捲揚機まきあげき)の廻転する音、ガンガンと鉄骨を叩く轟音ごうおん、タタタタタとリベット(びょう)を打ち込むひびき、それに負けないように、石山平吉へいきちは我にもなく怒鳴るような大声で一息に言い終ると、心配そうな眼をして監督の顔をのぞき込んだ。
秋空晴れて (新字新仮名) / 吉田甲子太郎(著)
ときに、一歩いちぶ路用ろようとゝのへて、平吉へいきちがおはむきに、なゝツさがりだ、掘立小屋ほつたてごやでも一晩ひとばんとまんねな兄哥あにい、とつてくれたのを、いや、瓜井戸うりゐど娼妓おいらんつてらと、れいおれが、でから見得みえつた。
一席話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「父は中風で身動きもなりません。母は早く亡くなりましたので、内のことは私が萬事をいたして居りますが、外のことは下男の丙吉へいきちがいたして居ります」
「右馬之丞樣の死體のお召物——殊に肩のあたりは泥にまみれて破れ、身體にもひどい傷がついて居りました。秋山家の下男丙吉へいきちと、生證人の平田源五郎は、二合半坂から死體を引ずつて來たためだと申しましたが、それは間違ひでなければ嘘で、死にきつてからついた傷が、あんなにハレたり、紫色になつたりする筈は御座いません」