“ふわく”の漢字の書き方と例文
語句割合
不惑100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
よわい既に不惑ふわくを越え、文名やや高く、可憐無邪気の恋物語をも創り、市井しせい婦女子をうっとりさせて、汚れない清潔の性格のように思われている様子でありますが、内心はなかなか
女の決闘 (新字新仮名) / 太宰治(著)
もちろん人によっては而立じりつの年に至っても立ち得ず、不惑ふわくの年に至ってなお惑溺わくできの底にあり、知命ちめいの年に焦燥して道を踏みはずし、耳順じじゅんの年に我意をもって人と争うこともあるであろう。
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
長生をしてこの二人のように頭がたしかに使えるのはなおさらめでたい。不惑ふわくよわいを越すと間もなく死のうとして、わずかに助かった余は、これからいつまで生きられるかもとより分らない。
思い出す事など (新字新仮名) / 夏目漱石(著)