“はんぷん”の漢字の書き方と例文
語句割合
半分100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
きわまらんとする前に何事か起る。単調は自然の敵である。小野さんが部屋の中を廻り始めて半分はんぷんと立たぬうちに、障子しょうじから下女の首が出た。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
横井は椅子に腰かけたまゝでその姿勢を執って、眼をつぶると、半分はんぷんとも経たないうちに彼の上半身が奇怪な形に動き出し、額にはどろ/\汗が流れ出す。横井はそれを「精神統一」と呼んだ。
子をつれて (新字新仮名) / 葛西善蔵(著)
半分はんぷんとかからないうちに、これだけの順序と、段落と、論理と、空想をそなえて、抱き合うように彼の頭の中を通過した。しかしそれからあとの彼はもう自分の主人公ではなかった。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)