“つちやま”の漢字の書き方と例文
語句割合
土山100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
小唄に残っているあい土山つちやまへひょっこり出る。屋根附の中風薬の金看板なぞ見える小さな町だが、今までの寒山枯木に対して、血の通う人間に逢う歓びは覚える。
東海道五十三次 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
お豊の実家で娘の姿が見えぬとて、親たちもお豊の婿むこになるべき人も血眼ちまなこになって、八方へ飛ばした人が、関と坂下へ来た時分には、男女ふたりの姿は土山つちやまにも石部いしべにも見えませんでした。
大菩薩峠:02 鈴鹿山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「阪は照る/\鈴鹿は曇る。あひの土山つちやま雨が降る。」てふ郷曲の風情を一人旅の身にしめながら土山までのり、その晩は遂にいぶせき旅籠はたごに夜を明し、翌日は尚ほ三里の道を水口までゆき
伊賀、伊勢路 (旧字旧仮名) / 近松秋江(著)