“ぜんぼう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
全貌88.5%
前坊3.8%
染坊3.8%
禅房3.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
大将としてはまたそれを話し出した時に秘密の全貌ぜんぼうの見られることも願っているのであるから好機は容易に見いだせないのであるらしい。
源氏物語:36 柏木 (新字新仮名) / 紫式部(著)
それが「前坊ぜんぼうの北の方」(なくなられた前の春宮の北の方、今は寡婦)であり、美しい娘の母君であり、また八歳年上であるところの、六条の御息所との情事を暗示すると悟り得るであろうか。
日本精神史研究 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
遅速相去る、はなはだしきものは四、五倍を差う。ただ三のみならざるなり。一覧して遺すなきは、すなわちかつてこれあり。びんの林誌、雨を避けて染坊ぜんぼうに寓す。
そこへ、稲田の禅房ぜんぼうへ、朝から密偵に行っていた一人が、杖を横にかかえて、あえぎ喘ぎ駈け登ってきた。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)