“せみと”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
蝉取50.0%
蝉捕50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
枇杷の実はわたくしが始めて心づいたその翌日あくるひには、早くも一粒をも残さず、近処の蝉取せみとりに歩く子供等のぬすみ去るところとなった。
枇杷の花 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
ついでだから蟷螂を食った事のない人に話しておくが、蟷螂はあまりうまい物ではない。そうして滋養分も存外少ないようである。蟷螂狩とうろうがりに次いで蝉取せみとりと云う運動をやる。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
彼がまだ、とんぼ頭をして、蝉捕せみとりに夢中になって夏を真っ黒に遊び暮していた少年の頃、よくこの寺へ避暑がてら来ていた貴人がある。領主の吉良上野介夫妻であった。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
亀一様を背負ってよく蝉捕せみとりをしましたとか——そんな回顧ばかり語り出した。
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)