“こばか”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
小馬鹿83.3%
小莫迦16.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そこで、僕に云わせると、失恋のきょく、命をなげだして、恋敵こいがたきと無理心中をやった熊内中尉は、大馬鹿者だと思う。鰻のにおいを嗅いだに終った竹花中尉も、小馬鹿こばかぐらいのところさ。
恐しき通夜 (新字新仮名) / 海野十三(著)
私が發見したものは眞實なのに、その眼はひとを小馬鹿こばかにしたやうな眼付をして、それを信じまいとするらしい——感じやすい、煩悶してゐる、と私がとがめるのを拒んでゐるやうだ。
痩せた上に黒く日焼けがし、固く乾いたやうな顔には小さいが白味の多い眼がいつも人を小莫迦こばかにするやうに閃いてゐた。
医師高間房一氏 (新字旧仮名) / 田畑修一郎(著)
云はずと知れたことだ、といふやうに徳次はそのきよろりとした眼を上げて小莫迦こばかにした風に小谷を眺めた。大きい麦藁帽子を被つてゐるので、小谷のやさしい顔立ちはひどく女らしく見えた。
医師高間房一氏 (新字旧仮名) / 田畑修一郎(著)