“きなだ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:キナダ
語句割合
鬼涙80.0%
生灘20.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
こんな沼には名前などは無いのかと思つてゐたところが、このごろになつてこれが鬼涙きなだ沼といふのだといふことを知つた。明るい櫟林にとり囲まれた擂鉢形の底に円く蒼い水を湛へてゐる。
沼辺より (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
鬼涙きなだ寄生木やどりぎ夜見よみ、五郎丸、鬼柳きりう深堀しんぼり怒田ぬた、竜巻、惣領そうれう、赤松、金棒、鍋川——足柄の奥地に、昔ながらのさゝやかな巣を営んでゐるそれらの村々を私は渡り歩いて、昆虫採集に没頭してゐた。
その村を憶ひて (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
生灘きなだをはかる、料理が安くて、庖丁の利く、小皿盛の店で、十二三人、気の置けない会合があって、狭い卓子テエブルを囲んだから、端から端へ杯が歌留多かるたのようにはずむにつけ
開扉一妖帖 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)