“かにえ”の漢字の書き方と例文
語句割合
蟹江100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ついに、丹羽、柴田などと共に、宿老の重きをなして来たのも当然とされ、蟹江かにえ、長島を所領しては、その地方的信望もあつきを得ていた。
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
滝川一益は、桑名、蟹江かにえの二城を指揮して、早くから伊勢と対峙たいじしていたこの方面の主将であるから、彼の決裁けっさいに待っていいはずであるが、さて
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
さきに蟹江かにえあたりをうかがった上方の海軍も、遠州、駿河沖あたりに遊弋ゆうよくしはじめ、美濃、伊勢、甲州にわたる信雄の与国は、秀吉に促されて、いや応なく
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
という密報が来ていたし、蟹江かにえの様子も変だったので、充分、覚悟していたところだった。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ともかく、ひと頃は、織田家の一家老のひとりとうやまわれ、信長麾下のぶながきかの名将といわれた彼にして、蟹江かにえ籠城ろうじょうに立ち至ったことは、何としても、その不手際ふてぎわにあわれすら催される。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「そうでもない。あの智者——武勇もある一益が、桑名、蟹江かにえの二城の兵力で、伊勢の北八郡、南五郡の北畠の大軍と対峙たいじするので、もう支えきれぬと、悲鳴をあげての矢の催促だ」
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)