“おきとだな”の漢字の書き方と例文
語句割合
置戸棚100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
冷い壁にかかる銅版画のソクラテスの額の下へも行き、置戸棚おきとだなに張りつけてある大きな姿見の前へも行った。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
木工具の領域を見ますと、京都出来のもので心をくのは「水屋みずや」と呼ぶ置戸棚おきとだなで、好んで勝手許かってもとで用います。形に他にない特色があり、洋式の模倣品もほうひんよりどんなによいか知れません。
手仕事の日本 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
岸本は置戸棚おきとだなの開き戸に張ってある姿見の前に行った。旅に来て一層白さの眼立つように成った彼自身の髪の毛がその硝子ガラスに映った。しばらく彼は自分で自分のすがたに見入っていた。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
異郷の旅の心を慰めるために、岸本は自分の部屋にある箪笥たんすの前に行った。箪笥とは言っても、鏡を張った開き戸のある置戸棚おきとだなに近い。その抽筐ひきだしの中から国の方の親戚や友人の写真を取出した。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)