“おおびさし”の漢字の書き方と例文
語句割合
大廂100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
館の大廂おおびさしからは護摩ごまの煙が雲のように立ちのぼり、衆僧の振鈴しんれい誦経ずきょうが異様な喚叫かんきょうをなして二条の町かどあたりまでも聞えてくるほどだった。
私本太平記:13 黒白帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、ものうげに、両手をうしろへ落し、大廂おおびさしの外に、わが世の春を飾るがごとくある星を仰いで、大きく酔後すいごの息を吐いた。
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
春とはいえまだ夜は寒いのに、蔀障子しとみしょうじも開け放されていた。大廂おおびさしからまだ低い宵月が映しこんでいるのに、そこを閉め惜しんでいるかとも思われる。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)