“うすにび”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
淡鈍57.1%
薄鈍42.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そんなことで妻は生涯しょうがい心から打ち解けてくれなかったのだなどと、源氏は悔やむのであるが今はもう何のかいのある時でもなかった。淡鈍うすにび色の喪服を着るのも夢のような気がした。
源氏物語:09 葵 (新字新仮名) / 紫式部(著)
源氏が座敷の中を見まわすと几帳きちょうの後ろとか、襖子からかみの向こうとか、ずっと見える所に女房の三十人ほどが幾つものかたまりを作っていた。濃い喪服も淡鈍うすにび色も混じっているのである。
源氏物語:09 葵 (新字新仮名) / 紫式部(著)
一か年真黒まっくろな服を着ていた麗人たちの薄鈍うすにび色に変わったのもえんに見えた。姉君の思っているように、中の君は美しい盛りの姿と見えて、喪の間にまたひときわ立ちまさったようにも思われる。
源氏物語:49 総角 (新字新仮名) / 紫式部(著)
へやの奥のほうに向こうを向いてすわっている女王の後ろでは薄鈍うすにびでない他のお召し物に姫君をお着かえさせるようにとか女房らが言っていて、だれもが今夜で結婚が成立するもののようにして
源氏物語:49 総角 (新字新仮名) / 紫式部(著)