“いちじゅく”の漢字の書き方と例文
語句割合
無花果100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その間に小さな駈落者らは、大忙おおいそぎで裏庭の雑草を踏み越えて、そこに立っている無花果いちじゅくの樹にじ登った。
青草 (新字新仮名) / 十一谷義三郎(著)
油のために輝いた青い頭の皮膚の上に、無花果いちじゅくの満ちた花園が傾きながら映っていった。世界は今や何事も、下から上を仰がねばフィルムの美観が失われ出したのだ。
上海 (新字新仮名) / 横光利一(著)
横の馬小屋をのぞいてみたが、中に馬はいなかった。馬小屋のはずれから、道の片側を無花果いちじゅくの木が長く続いている。自分はその影を踏んで行く。両方は一段低くなった麦畠である。
千鳥 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)