“あんりょく”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
黯緑66.7%
暗緑33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
椀を伏せたような阿房あぼう峠まで、重たい水蒸気にのしかけられて、黯緑あんりょくで埋まった森の中に、水銀が湛えられる、その上に乗鞍岳が、峻厳にそそり立って、胴から上を雲に没している。
谷より峰へ峰より谷へ (新字新仮名) / 小島烏水(著)
消えてしまう、間の岳と蝙蝠岳の峰々の繋がりは、偃松はいまつであろう、黯緑あんりょくの植物で、ってあって、所々に白雪の団々が見える、この赤石山脈の大嶺は、始終私たちを瞰下みおろして、方幾里の空中を
白峰山脈縦断記 (新字新仮名) / 小島烏水(著)
かれの目はしきりにうごいて、うしろの樹立こだちをすかしたり暗緑あんりょく境内けいだいを見まわしたりしたが、ついに、そこからなにものも見いだすことはできなかった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)