“あぶらぜみ”の漢字の書き方と例文
語句割合
油蝉100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
淀の京橋口の柳はだらりと白っぽくえている。気の狂ったような油蝉あぶらぜみが一匹、川を横ぎって町屋の中へ突き当ってゆく。
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
相原あいばら新吉夫婦が玉窓寺ぎょくそうじ離家はなれを借りて入ったのは九月の末だった。残暑のきびしい年で、寺の境内は汗をかいたように、昼日中、いまだに油蝉あぶらぜみの声を聞いた。
果樹 (新字新仮名) / 水上滝太郎(著)
ニイニイぜみの声のような連続的な音が一つ、それから、油蝉あぶらぜみの声のような断続する音と、もう一つ、チッチッと一秒に二回ぐらいずつ繰り返される鋭い音と
柿の種 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)