“あさうらぞうり”の漢字の書き方と例文
語句割合
麻裏草履100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
身扮みなりも平常のまま、金は一文も持っていたはずはなく、その上心掛けのある町人にげなく、麻裏草履あさうらぞうりを突っかけて、手拭を一本持ったきりで出て行ったのですから
私が一尺も歩く間に影はぐいぐいと二尺も伸びる。影の頭と女の踵とは見る見るうちに擦れ擦れになる。女の踵は、———この寒いのに女は素足で麻裏草履あさうらぞうり穿いている。
母を恋うる記 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
ことに私のおった学校は田舎いなかの田舎で麻裏草履あさうらぞうりさえないと云うくらいな質朴な所でしたから、学校の生徒でヴァイオリンなどをくものはもちろん一人もありません。……
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)