小熊秀雄全集-03おぐまひでおぜんしゅう-03詩集(2)中期詩篇ししゅう(2)ちゅうきしへん
順鹿(となかい)の角をピシ/\打ちながら 氷の波の上を橇に乗つてやつてきた小さな集団を見た。 到る処に太陽の道はあるのだ なにが真理で、何が真理でないとは言へないのだ。 自分の足音に驚ろきながら 自分の舞ひ立てる埃で顔を真黒くしながら そつ …