『雪』
朝から、空は暗く、チラチラ窓のふちから、雪が散りこぼれて來た。 もうすでに六十日、これから何百日ゐるかわからない留置場で、私は、この雪をめづらしい外からまぎれ込んだ、自由の世界から入つて來てくれたものゝ樣な感じで今更のやうにみつめたのであつ …
著者 | 中井正一 |
ジャンル | 文学 > 日本文学 > 評論 エッセイ 随筆 |
初出 | 「暮しの手帖 第十五号」暮しの手帖社、1952(昭和27)年3月1日 |
文字種別 | 旧字旧仮名 |
読書目安時間 | 約4分(500文字/分) |
朗読目安時間 | 約6分(300文字/分) |
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