ゆき
朝から、空は暗く、チラチラ窓のふちから、雪が散りこぼれて來た。 もうすでに六十日、これから何百日ゐるかわからない留置場で、私は、この雪をめづらしい外からまぎれ込んだ、自由の世界から入つて來てくれたものゝ樣な感じで今更のやうにみつめたのであつ …
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