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『月見草』
ふりがな文庫
『
月見草
(
つきみそう
)
』
馬車が深い渓流に沿った懸崖の上を走っていた。はるかの底の方に水の音がする。崖の地肌には雪に、灰色の曇った空がうつって、どことなく薄黒い。疎林がその崖に死んだように立っている。 その中に、馬車の轍の跡だけが、泥に染んでいる。私はいま、東北の或 …
著者
水野葉舟
ジャンル
文学 > 日本文学 > 小説 物語
文字種別
新字新仮名
読書目安時間
約3分(500文字/分)
朗読目安時間
約5分(300文字/分)
作品に特徴的な語句
染
(
にじ
)
態
(
ざま
)
危
(
あやう
)
噤
(
つぐ
)
心底
(
しんそこ
)
猿
(
さる
)
目馴
(
めな
)
石
(
いし
)
轍
(
わだち
)
雪催
(
ゆきもよ
)
題名が同じ作品
月見草
(新字新仮名)
/
山之口貘
(著)