生涯せうがい)” の例文
実際じつさい真面目しんめんもく生涯せうがい真味しんみあぢはひし人のみがたがひともはたらき得る人なり 宗教しふけうを以て茶話席ちやわせき活題くわつだいとなすにとゞまるものは言語的げんごてき捺印的なついんてき一致いつちはかれよ
時事雑評二三 (新字旧仮名) / 内村鑑三(著)
谷中やなか知人ちじんいゑひて、調度萬端てうどばんたんおさめさせ、此處こゝへとおもふに町子まちこ生涯せうがいあはれなることいふはかりなく、暗涙あんるいにくれては不徳ふとくおぼしゝるすぢなきにあらねど
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
顧客とくい廓内かくないつゞけきやくのなぐさみ、女郎ぢよろうらし、彼處かしこ生涯せうがいやめられぬ得分とくぶんありとられて、るもるも此處こゝらのまちこまかしきもらひをこゝろめず
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
彼処かしこに入る身の生涯せうがいやめられぬ得分ありと知られて、来るも来るも此処らの町に細かしきもらひを心に止めず、裾に海草みるめのいかがはしき乞食さへかどには立たず行過ゆきすぎるぞかし
たけくらべ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
それのみにても我れは生涯せうがい大事だいじにかけねばなるまじき人に、不足らしき素振そぶりのありしか。
軒もる月 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
小利口こりこうなるはるき性根せうねをやしなうてめんかぶりの大變たいへんものになるもあり、しやんとせし氣性きせうありて人間にんげんたち正直せうぢきなるは、すねもの部類ぶるいにまぎれて其身そのみれば生涯せうがいそんおもふべし
ゆく雲 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
小利口なるはるき性根をやしなうてめんかぶりの大変ものになるもあり、しやんとせし気性ありて人間のたちの正直なるは、すね者の部類にまぎれてその身に取れば生涯せうがいの損おもふべし
ゆく雲 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)