“知人”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しりびと56.9%
しるひと12.5%
ちじん11.1%
しるべ6.9%
しつたひと4.2%
しりあい2.8%
しりええ1.4%
しりと1.4%
しるびと1.4%
なじみ1.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
いや、直接じかに会ったのではないようだが、知人しりびとの誰かに似ていたから間違えたんだ。こう決めてしまって、そのことは頭から遠ざけた。
誰? (新字新仮名) / モーリス・ルヴェル(著)
十萬世界の大地のちりは知人しるひともありなん。法華經ほけきやう供養の功徳くどくしりがたしとこそほとけはとかせ給てさふらへ、これをもて御心あるべし。
これは大乗院の僧朝舜ちょうしゅん知人ちじん和田某が、湊川合戦の直後(約一ヵ月後)神戸へ出むき、同地で見聞して帰ったことの手紙で
随筆 私本太平記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そうして、遠からずわたしも江戸へ帰るからあっちでまた会おうと言って、米友のために、二三の知人しるべのところを引合せてやったりなどしました。
大菩薩峠:14 お銀様の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
默つて居れば能い事にして惡口雜言は何の事だ、知人しつたひとなら菓子位子供にくれるに不思議もなく、貰ふたとて何が惡い、馬鹿野郎呼はりは太吉をかこつけにれへの當こすり
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「お嬢様、申しわけございません。道で知人しりあいに逢いましてな」
十二神貝十郎手柄話 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
金春こんぱる屋敷の知人しりええんとこで話が持てましてね、あっしが甚右を連れて此町ここを通ったのは四つ過ぎてましたよ。
知人しりと岬の神社に寢た乞食だ。俺はアノ乞食の嚊を二度姦した! 乞食の嚊を、この髯面の嚊を……髯面がサッと朱を帶びた。カインの顏だ。アダムの子のカインの顏だ。
病院の窓 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
たゞさるべきやと申さるゝに段右衞門假令たとへ如何樣いかやうの證據御座候共其儀は一向に覺え無之これなく候と云張いひはるにぞ然らば汝ぢ其三五郎と申者知人しるびとにては無やと有に段右衞門其者そのものは私し儀以前幸手宿に住居のみぎ知己人しりびとには御座れ共別にうらみもなき事ゆゑ殺すべきいはれ更に御座なく候と申立るにより大岡殿かさねて其三五郎つまふみと申者を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ハテナ、近所のやつに貸た銭でもあるかしらん。知人なじみも無さそうだし、貸す風でもねえが。
貧乏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)