龍華寺りうげじ)” の例文
新字:竜華寺
かげまわりて機械からくりいとひききしは藤本ふぢもと仕業しわざきはまりぬ、よしきううへにせよ、もの出來できるにせよ、龍華寺りうげじさまの若旦那わかだんなにせよ、大黒屋だいこくや美登利みどりかみまいのお世話せわにもあづからぬもの
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
たま/\の旅行りよかうだし、靜岡しづをかまで行程ゆきして、都合つがふで、あれから久能くのう𢌞まはつて、龍華寺りうげじ——一方ひとかたならず、わたしのつたないさくおもつてくれた齋藤信策さいとうしんさくひと)さんのはかがある——其處そこ參詣さんけいして
雨ふり (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
學校がくかうにての出來できぶりといひ身分みぶんがらのいやしからぬにつけても弱虫よわむしとはものなく、龍華寺りうげじ藤本ふぢもと生煮なまにえのもちのやうにしんがあつてやつくがるものもりけらし。
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
龍華寺りうげじぼうさまにいぢめられんは心外しんぐわいと、これより學校がくかうかよことおもしろからず、わがまゝの本性ほんせうあなどられしが口惜くやしさに、石筆せきひつすみをすて、書物ほん十露盤そろばんらぬものにして
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ふさ付き帽子おももちゆたかに洋服かるがると花々しきを、坊ちやん坊ちやんとてこの子の追従ついしようするもをかし、多くの中に龍華寺りうげじ信如しんによとて、千筋ちすぢとなづる黒髪も今いくとせのさかりにか
たけくらべ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)