すゝ)” の例文
尋ね出してをつと道十郎殿の惡名をすゝがせん者をと夫より心を定め赤坂あかさか傳馬町でんまちやうへと引取られ同町にておもてながらもいとせま孫店まごだな借受かりうけ爰に雨露うろ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
あやまちなどは無いことゝ存じますが、只今申上げました通り潔白な気性でございますゆえ、ひとから恥辱でも受けました節は、その恥辱をすゝぐまでは
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
すゝぐか、私には宛がない。ただ一つあるのは、貴方の計畫です。あれに加はつて、思ふ丈のことをすることです。
計画 (旧字旧仮名) / 平出修(著)
かへで 拙い細工を世に出したをそれほど無念と思召さば、これからいよ/\精出して、世をも人をもおどろかすほどの立派な面を作り出し、恥をすゝいでくださりませ。
修禅寺物語 (旧字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
いまからわたしさへあらためれば、のおひととてさのみ未練みれんおつしやるまじく、おたがひにあさ交際つきあひをして人知ひとしらぬうちにけがれをすゝいで仕舞しまつたなら、いまからのちのあのかたためわたしため
うらむらさき (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
墨股すのまたの戰ひに少しく會稽の恥をすゝぎたれども、新中納言(知盛)軍機ぐんきしつして必勝の機をはづし、木曾のおさへと頼みしじやうの四郎が北陸ほくりくの勇をこぞりし四萬餘騎、餘五將軍よごしやうぐん遺武ゐぶを負ひながら
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
御調べ願ひ夫の惡名あくみやうすゝぐべし忠兵衞殿には何處迄も證據しようこと成て下されとすぐにも駈出かけだすお光が氣色此有樣に忠兵衞は如何いかゞなことを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
亨一は矢鱈やたらに激昂した。此の汚名はいづれの時にかすゝがねばならぬと思つた。それ故目前の爭論を惹き起すまいとして耐忍の上にも耐忍をした此日の苦痛は、心骨にしみ徹るのであつた。
計画 (旧字旧仮名) / 平出修(著)
流し父事御仕置になりしは是非におよばさりながら其人殺盜賊は彦兵衞に之なく外にあるにより此段御公儀へ訴へ父が汚名をめいすゝぎ申度何卒御執計おとりはからひを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)