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躰
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からだ
ふりがな文庫
“
躰
(
からだ
)” の例文
そんな状態で
躰
(
からだ
)
がつかれていたのか、尾崎さんはもう秋になろうとしている頃、国から出て来られたお父さんと鳥取へ帰って行かれた。
落合町山川記
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
夫人は、灯もない夕暮の自室に、
木乃伊
(
ミイラ
)
のように
痩
(
や
)
せ細った
躰
(
からだ
)
を石油箱の上に腰うちかけて、いつまでもジッと考えこんでいた。
ヒルミ夫人の冷蔵鞄
(新字新仮名)
/
海野十三
、
丘丘十郎
(著)
なさけない……
何
(
なに
)
が
何
(
なに
)
やら
自分
(
じぶん
)
にもけじめのない、さまざまの
妄念
(
もうねん
)
妄想
(
もうそう
)
が、
暴風雨
(
あらし
)
のように
私
(
わたくし
)
の
衰
(
おとろ
)
えた
躰
(
からだ
)
の
内
(
うち
)
をかけめぐって
居
(
い
)
るのです。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
真向と
脾腹
(
ひばら
)
を存分に斬られて、二人の
躰
(
からだ
)
が
毬
(
まり
)
のように飛ぶ、と見た次の刹那には、三樹八郎の躰は左手の一団のまっただ中へ
武道宵節句
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
見る見る、錦子の
耳朶
(
みみたぶ
)
が、
葉鶏頭
(
はげいとう
)
のような
鮮紅
(
あかさ
)
の色になって、
躰
(
からだ
)
をギュッと縮め、いよいよ
俯向
(
うつむ
)
いてしまった。
田沢稲船
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
▼ もっと見る
「
君
(
きみ
)
、
此
(
こ
)
の
頃
(
ごろ
)
躰
(
からだ
)
は何うかね。」と
暫
(
しばら
)
くして私はまた友に
訊
(
たづ
)
ねた。私
達
(
たち
)
は
會
(
あ
)
ふと
必
(
かなら
)
ず
孰
(
どツ
)
ちか
先
(
さき
)
に
此
(
こ
)
の事を
訊
(
き
)
く。
虚弱
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
葉子の好きな言葉のない映画よりも、長いあいだ見つけて来た歌舞伎の鑑賞癖が、まだ彼の
躰
(
からだ
)
にしみついていた。暗くて陰気くさい映画館には
昵
(
なじ
)
めなかった。
仮装人物
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
途端に「あッ」という悲鳴が起こり、刀をふりかぶったまま、鶴吉は
躰
(
からだ
)
を
捻
(
ねじ
)
りましたが、やがて、よろめくと、ドット倒れました。
脇腹
(
わきばら
)
から血が吹き出しています。
怪しの者
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
思想の重圧のために眠りがたい
躰
(
からだ
)
には、起つてロココ風の肘掛椅子に腰を下ろすことが必要である。
忠告
(新字旧仮名)
/
富永太郎
(著)
そのうち、
濠端
(
ほりばた
)
へ
出
(
で
)
ると、
車
(
くるま
)
の
数
(
かず
)
も
少
(
すく
)
なくなり、
柳
(
やなぎ
)
の
葉
(
は
)
が
風
(
かぜ
)
になびいていました。そしてガードの
下
(
した
)
に、さしかかると、
冷
(
つめ
)
たい
風
(
かぜ
)
が
吹
(
ふ
)
いてきて、
躰
(
からだ
)
がひやりとしました。
隣村の子
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
足に
蹈
(
ふむ
)
力なきゆゑおのれがちからに
己
(
おのれ
)
が
躰
(
からだ
)
を
転倒
(
ひきくらかへし
)
、雪の
裂隙
(
われめ
)
より
遙
(
はるか
)
の谷底へ
墜
(
おちいり
)
けるが、雪の上を
濘
(
すべり
)
落たるゆゑ
幸
(
さいはひ
)
に
疵
(
きず
)
はうけず、しばしは夢のやう也しがやう/\に心付
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
熱い
躰
(
からだ
)
や紅い唇、切ないあえぎなどを。それを忘れるために、彼は心で念じた。
幻化
(新字新仮名)
/
梅崎春生
(著)
ただ
躰
(
からだ
)
は強健で、性格は強く、頭も鋭く、男まさりのところがあります。
益子の絵土瓶
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
湯に
馴染
(
なじ
)
めそうには見えず、花の
萎
(
しぼ
)
むような気の衰えが感じられるのだったが、湯を控えめにしていても、血の気の薄くなった
躰
(
からだ
)
に、
赤城
(
あかぎ
)
おろしの風も冷たすぎ
縮図
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
一尺足らずの獲物ながら、名人の構えた扇であった、浪之助にはその扇が、差しつけられた白刃より凄く、要介の
躰
(
からだ
)
がそれの背後に、
悉皆
(
すっかり
)
隠れたかのように思われた。
剣侠
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
おそらく萩の廊下で袂へ入れられたものだろう、とすれば自分はその人を見たかもしれない。——奈尾の
躰
(
からだ
)
をしびれるような感覚がはしり深いあえぐような
溜息
(
ためいき
)
が出た。
合歓木の蔭
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
廓の女でも、
躰
(
からだ
)
は売っても心は売らないと、口はばったく言えた時代で、恋愛遊戯などする女は、まだだいぶすけなかったのだ。——すけなかったというので、なかったとはいえない。
モルガンお雪
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
錦糸堀でも、裏に
小体
(
こてい
)
な家を一軒、その当座時々
躰
(
からだ
)
を休めに来る銀子の芸者姿が、近所に目立たないようにと都合してあるのだったが、今はそれも妹たちが占領していた。
縮図
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
ふと人の
気勢
(
けはい
)
を感じたので、
躰
(
からだ
)
を
蔽
(
おお
)
うている草の間から、わたしはそっちを眺めました。
怪しの者
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
……彼らはいま互いに
躰
(
からだ
)
を寄せ合い、来太の眠りを護るかのように沈黙した。
花咲かぬリラ
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
昼間葉子は庸三の勧めで
幌車
(
ほろぐるま
)
に乗って町の医院を訪れ、薬を
貰
(
もら
)
って来たのであったが、医者は文学にも知識をもっているヒュモラスな
博士
(
はかせ
)
で、葉子の
躰
(
からだ
)
をざっと診察すると
仮装人物
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
「切れ——ッ」と差し出したのは娘の
躰
(
からだ
)
!
剣侠
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「どうです、いい
躰
(
からだ
)
でしょう旦那」
追いついた夢
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
“躰(
体
)”の解説
体(體、躰、躯、身体、からだ)、身体(しんたい)は、生物学的かつ文化的に規定された、有機体としての人間や動物の構造を指す。人間は身体を通じて世界を経験し、世界を構成する。
(出典:Wikipedia)
躰
部首:⾝
12画
“躰”を含む語句
身躰
一躰
勿躰
躰躯
五躰
容躰
正躰
大躰
魚躰
死躰
肉躰
躰力
躰臭
躰質
全躰
同躰
躰当
船躰
躰温
躰格
...