足代あじろ)” の例文
たかく、あしんで、ぬまきしはなれると、足代あじろ突立つゝたつて見送みおくつた坊主ばうずかげは、背後うしろから蔽覆おつかぶさるごとく、おほひなるかたちつてえた。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
此方こちらは猿子橋のきわに汚い足代あじろを掛けて、とまが掛っていて、籾倉の塗直ぬりなおし、其の下に粘土ねばつちが有って、一方には寸莎すさが切ってあり、職人も大勢這入って居るが
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「わが為の道具につかひて、これを足代あじろにとすれば何の恥しきことか、却つて心をかしかるべし」そして
婦人と文学 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
勿躰もつたいない、名僧智識めいそうちしきつたもの、と足代あじろわらいたゞいたゞがの、……それでは、お前様めえさまわしあとへござつて、坊主ばうずあはしつたものだんべい。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
戞然かちりおとして足代あじろうへへ、大空おほぞらからハタとちてたものがある……るとあられのやうにつめたかつたが、えもけもしないで、やぶ法衣ごろもそでのこつた。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
そののうちに、池の島へ足代あじろを組んで、朝は早や法壇が調った。無論、略式である。
伯爵の釵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
其ののうちに、池の島へ足代あじろを組んで、朝はや法壇が調ととのつた。無論、略式である。
伯爵の釵 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)