素晴すば)” の例文
この蛙は緑色みどりいろです。まるで青い木の葉のような恰好かっこうをしています。そうして、そういう恰好かっこうをしているので、なんだか素晴すばらしくみえます。
母の話 (新字新仮名) / アナトール・フランス(著)
ねえ、汚點しみよごれもない追憶といふものは素晴すばらしい寶玉ですね——んでも盡きない清らかな元氣囘復のみなもとですね。さうぢやありませんか。
あの眼差まなざしもあの微笑びしょうも、てんで見当らなかったけれど、それでいてこの新しい姿になっても、わたしにはやはり素晴すばらしいお嬢さんと思われた。
はつ恋 (新字新仮名) / イワン・ツルゲーネフ(著)
祖父そふうれし涙をながし——彼はもう年をとっていたのでなみだもろかった——そして、素晴すばらしいものだといってくれた。
ジャン・クリストフ (新字新仮名) / ロマン・ロラン(著)
このうまりしが大將たいしやう説明はなせば、雀躍こをどりしてよろこび、ぼく成長おほきくならば素晴すばらしき大將たいしやうり、ぞくなどはなんでもなくち、そして此樣このやう書物ほんかれるひとりて
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
その谷あいの秋色は素晴すばらしい眺めであったけれども、足もとばかり視詰みつめていた私は、おりおり眼の前を飛び立つ四十雀しじゅうからの羽音に驚かされたくらいのことで
吉野葛 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
家屋は一階建のも、二階建のもあり、また、地方の建築師の考えでは素晴すばらしく美しいものとされている、相も変らぬ中二階つきの、一階半建というやつもあった。
それ十重とえ二十重はたえかさなりって絵巻物えまきものをくりひろげているところは、まった素晴すばらしいながめで、ツイうっとりととれて、ときつのもわすれてしまくらいでございます。
だまっているお蔭で、遂に私は素晴すばらしいことを発見した。それはあのラジウムを、安全に獄外へはこびだす工夫だった。まず大丈夫うまく行くと思われる一つの思い付きだった。
柿色の紙風船 (新字新仮名) / 海野十三(著)
そのみちにずっと笹縁ささべりをつけている野苺のいちごにも、ちょっと人目につかないような花が一ぱい咲いていて、それが或る素晴すばらしいもののほんの小さな前奏曲プレリュウドだと言ったように、私を迎えた。
美しい村 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
ごらんなさい この素晴すばらしい火星の運河うんが
金子かねちから素晴すばらしい。
城崎を憶ふ (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
熱情ねつじょうも時には素晴すばらしい仕事をさせる武器ぶきですが、冷静れいせいは常に物の道理を考えさせる唯一ゆいいつの力です。
母の話 (新字新仮名) / アナトール・フランス(著)
なんという素晴すばらしい思いつきでしょう。しかしこれもきょう電話で雁金さんが僕に暗示を与えて下すったので、発見できたものですよ。貴官はやっぱり玄人くろうと中の玄人ですね。
人造人間事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
素晴すばらしく見晴みはらしのよいおおきないわ頂点てっぺんに、わたくしとおじいさんとならんでっていたのでした。
で、私は何處もみなよく配置され、立派なものだつたので、到る所で感嘆しながら、二階や階下を彼女の背後うしろいてまはつた。正面の大きな部屋は、特別に素晴すばらしいと私は思つた。
そして何所どこに一てんちりとてもなく、またみち両側りょうがわほどよく配合あしらった大小だいしょうさまざまの植込うえこみも、じつなんとも申上もうしあげかねるほど奇麗きれい出来できり、とても現世げんせではこんな素晴すばらしい道路どうろられませぬ。