“植込”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
うえこみ32.6%
うえごみ16.3%
うゑこみ14.0%
うえご11.6%
うゑごみ11.6%
うえこ4.7%
うゑこ4.7%
うゑご4.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
王宙は伯父のへやを出て庭におり、自個じぶんの住居へ帰るつもりで植込うえこみ竹群たけむらかげを歩いていた。夕月がさして竹の葉がかすかな風に動いていた。
倩娘 (新字新仮名) / 陳玄祐(著)
枇杷びわの実は熟して百合ゆりの花は既に散り、昼も蚊の鳴く植込うえごみの蔭には、七度ななたびも色を変えるという盛りの長い紫陽花あじさいの花さえ早やしおれてしまった。
夏の町 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
前庭まへには植込うゑこみには、きりしまがほんのりとのこつて、をりから人通ひとどほりもなしに、眞日中まつぴなか忍返しのびがへしのしたに、金魚賣きんぎようりおろして、煙草たばこかしてやすんでゐた。
深川浅景 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ひのき植込うえごみの所から伝わって随竜垣ずいりゅうがきの脇に身を潜めて様子をうかゞうと、なが四畳で、次は一寸ちょっと広間のようの所がありまして、此方こちらに道場が一杯に見えます。
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
には所為せゐだ。青葉あをばうつるんだ」とには植込うゑごみの方を見たが、「だから貴方あなただつて、あをいですよ」とつゞけた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
自動車が玄関を滑り出て、門をまわろうとした時、植込うえこみの蔭から一人の怪漢が走り出て、ひらりと自動車の後ろに飛びのったことは、誰も気がつかなかった。
危し‼ 潜水艦の秘密 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
さてこの世辞屋せじや角店かどみせにして横手よこてはう板塀いたべいいたし、赤松あかまつのヒヨロに紅葉もみぢ植込うゑこみ、石燈籠いしどうろうあたまが少し見えるとこしらへにして、其此方そのこなた暖簾のれんこれくゞつてなか這入はいると
世辞屋 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
所が其音そのおと何時いつかりん/\といふ虫のに変つて、奇麗な玄関のわき植込うゑごみの奥で鳴いてゐる様になつた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)