“種物”の読み方と例文
読み方割合
たねもの100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
私は東京に来て蕎麦そば種物たねものをはじめて食った。ある日母は私を蕎麦屋に連れて行って、玉子とじという蕎麦を食べさせた。
三筋町界隈 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
「日清戦争前だったよ。物価がやすかったからね。蕎麦そばがもりかけ八厘、種物たねもので二銭五厘と来ている」
親鳥子鳥 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
一町ばかりを引っ返して、半七は小さな蕎麦屋の暖簾のれんをくぐると、徳寿は頭巾の雪をはたきながら、古びた角火鉢へ寒そうにかじり付いた。半七は種物たねものと酒を一本あつらえた。
半七捕物帳:09 春の雪解 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)